トピックス

ホーム > 会長挨拶

日本商学研究学会 会長 挨拶

岩 邊 晃 三

この度、会長に就任いたしました聖カタリナ大学で会計学担当教授を勤めている岩邊(いわなべ)です。本学会は「商学」研究を志す人たちによって形成される故に、会員諸氏の動向によって当学会の方向性が定まっていくと考えます。会長としては、その道筋を確認しつつ、勤めを果たしたいと考えています。とはいえ、会長として現在考えています所信の一端を次に述べさせていただきます。

20世紀は近代化ということが強調されていました。20世紀後半に入って、学問は分化・専門化が進んできました。50年前までは商学という枠のなかで、本来の商業学、経営学、会計学等の科目が講義されていました。しかし、50年経ってみますと、学問の専門化が進みあまりにも細分化されすぎて、ともすれば枝葉末節にとらわれる傾向となっています。

21世紀初頭に諸般の状況を考慮しますと、学問の総合化が必要であると考えられます。そのような時代において、当日本商学研究学会の存在意義は真に重大であると存じます。

本学会の課題としまして、いくつかのテーマが浮かび上がってきます。

まず、こんにちは変革の時代にあるといえます。経済はグローバル化の時代にありますが、そのグローバル社会にあって、日本、或いは地方・地域の特有の文化との調整をいかに図っていくかがが大きな課題です。

次に、商業活動は、商品を仕入れ、それを消費者に販売することを意味します。これからの研究の課題は仕入れという行為も当然のことながら、その先にある商品を提供する製造業にまで対象は及ぶものと考えられます。また、販売の面でも、販売とかマーケティングだけでなく消費者問題の領域まで研究の領域を拡げていかなければならないと考えます。

そして、今日、地球規模での環境破壊が大変な問題となっております。当学会でも、持続可能な社会実現のため当然に環境問題に関心を払わなければならないものと考えます。

また、世は情報化時代といわれて久しいですが、e-businessなどをはじめとして進展する情報化時代に合わせて新しい手法のビジネスがいろいろ出現しております。これらにも新しい視点での研究が必要と思われます。

さらに、昨今の世相を見ますと、家庭崩壊ともいうべき現象が現われ、見るに堪えない事件が多発しています。これは日本人全体の道徳観が欠如している表れと考えられます。道徳観・倫理感の欠如は経済界・ビジネスマンにも蔓延しています。このような状況のもとでは、新たな経済倫理・商業道徳の確立が必要です。そして、それら企業のモラルと表裏一体となるべく明確な企業理念の樹立も必要です。これらも大きな課題となります。

なお、これまで、大方の学会が世の中の動向とは関係ない形で活動をしてきたと思われます。当学会は、政策提言まで視野に入れての研究活動を行っても良いではないかと考えています。

学界のみならず、実務界などから幅広い研究者の参加を求め、会員相互が切磋琢磨し研鑽を図りつつ、社会に貢献し得る学会に成長するよう期待してやみません。

▲ Page Top